福岡教育連盟は教育の正常化を目指し、日々教育活動に励む教職員の集まりです。

私たちの主張

Opinion

平成2607

教師としての誇りを児童生徒の自信につなげよ


OECDによる国際教員指導環境調査

6月25日、OECD(経済協力開発機構)は、国際教員指導環境調査の結果を公表した。これは中学校及び中等教育学校前期課程の校長と教員を対象とした、学校の学習環境と教員の勤務環境に焦点を当てた国際調査である。
「校長のリーダーシップ」「職能開発」「教員への評価とフィードバック」等が調査項目であるが、ここでは「教員の自己効力感と仕事への満足度」に注目をしたい。

調査から見える教師の自己効力感の低さ

「教員の自己効力感」に関して、学級運営、教科指導、生徒の主体的学習参加の三つの側面から調査が実施されているが、全ての項目において、日本は自己効力感を持つ割合が参加国平均を極端に下回っている。特に顕著なのが生徒の主体的な学習への参加を促す項目であり、結果は次の通りである。
・「生徒に勉強ができると自信を持たせる」
日本17.6%、参加国平均85.8%
・「生徒が学習の価値を見いだせるよう手助けする」
日本26.0%、参加国平均80.7%
・「勉強にあまり関心を持たない生徒に動機付けをする」
日本21.9%、参加国平均70.0%
・「生徒の批判的思考を促す」
日本15.6%、参加国平均80.3%
文科省はこの結果を、「日本の教員が他国の教員に比べ、指導において高い水準を目指しているために自己評価が低くなっている可能性、実際の到達度にかかわらず謙虚な自己評価を下している可能性もある」と分析している。確かに、選択肢が「非常によくできている」「かなりできている」「ある程度できている」「全くできていない」の4つであり、その中から「ある程度できている」を選んだ教員が多かったのは心情的には理解できるものの、物足りない結果である(「非常に」と「かなり」の回答を高い自己効力感と整理している)。

自信が持てない高校生

この結果とリンクするのが、日本青少年研究所が平成23年に発表した「高校生の心と体の健康に関する調査」の結果である。福岡県を含む十都県の約1,100名の高校生を対象に行われた調査であるが、日本の高校生が他国と比較した際に、著しく自尊感情が低下していることが見て取れる。以下が調査結果の一部である。
・「私は価値のある人間だと思う」
日本7.5%、米国57.2%、中国42.2%、韓国20.2%
・「自分を肯定的に評価するほうだ」
日本6.2%、米国41.2%、中国38.0%、韓国18.9%
・「私は自分に満足している」
日本3.9%、米国41.6%、中国21.9%、韓国14.9%
・「自分が優秀だと思う」
日本4.3%、米国58.3%、中国25.7%、韓国10.3%
教育力向上福岡県民会議が提言している「福岡の教育ビジョン」の中でも、現在の子供が抱える課題の1つに自尊感情の低下が挙げられている。自分に自信を持ち、自分を肯定的に捉えることは、健全な学校生活を送る上でも、自己の進路を決定する上でも大切であり、日本の抱える大きな教育課題でもある。

教育専門職としての使命感

OECDの調査結果では、他国に比べて日本の教師が研修に意欲的であり、多くの時間を授業の計画や準備に費やしていることが示されている。また、平成24年に福岡教育連盟員対象に行った勤務実態調査において、平日には平均4時間の時間外勤務を行い、週休日にも8割以上の連盟員が出勤しており、多忙感を感じながらも、9割以上が教職に対するやりがいを持っていることがわかった。これらの日々の努力は、自信と誇りを持つのに十分値すると言える。生徒は教師の鏡である。まずは教師が模範となるよう、日々の努力を自信に変え、その姿を生徒に見せなければならない。そのためにも、教師としての使命感とは何かを確認すべく、福岡教育連盟が掲げる「福岡教育連盟が考えるあるべき教師像」の「教育専門職に徹する教師(教師の条件)」の一節を紹介したい。

「専門的な知識を背景に確固たる指導力を身につけ、子供の実態を把握し、何故学ぶのかを説き、彼らの可能性を伸ばす情熱と愛情と努力を忘れてはならない。また、幅広い教養を身につけ、日々、創意工夫を心がけ、子供が自ら学ぶ喜びを見いだせるような授業を展開することが、専門職に徹する教師の使命だと考える」

福岡教育連盟は教師が誇りを持って生徒に向き合うための指導環境の改善を求めるとともに、専門職としての使命感の追求に努めていきたい。

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