平成28年2月3日
平成27年度研修大会~今こそ考えようあるべき国家観~
平成28年1月31日(日)本年度の研修の集大成である「研修大会」を福岡リーセントホテルで実施しました。大会テーマは「今こそ考えようあるべき国家観」~未来を生きる子供たちに託すべきもの~です。
まず、分科会の様子です。
特別支援教育分科会では、太宰府特別支援学校の中村秀紹指導教諭が「学校から見た障害児・者のネットワーク関係図」~障害者総合支援法の視点から~と題して基調提案を行ったのち、協議を行いました。「合理的配慮の言葉は聞くが、障害者総合支援法は知らなかったので大変勉強になった」「高校の教員も知っておくべき」などの意見が寄せられました。
生命倫理分科会では代表の福岡高校の跡部弘美先生始め、5名の先生方が「アクティブラーニングで伝える生命倫理」についてそれぞれのテーマで発表を行いました。「答えのないテーマを生徒に考えさせる工夫がなされている」などの感想が寄せられ、他教科の先生も熱心に参加しました。
第一部の講師は京都大学高等教育研究開発センター・教育学研究科教授の溝上慎一先生。「今なぜアクティブラーニングかを理解するために」というテーマで講演をいただきました。学習形態、学習概念、学習論の三層でアクティブラーニングを理解する必要があることがわかりました。特に現場の教員は学習形態にのみ目が行ってしまう傾向があることや学習概念に関して共通理解を深める必要があること、そして、学校から社会・仕事へのトランジションをもっと意識する必要があること、などに気付かされました。さらに一言で「思考力」と言いますが、その認知活動は多岐にわたっており、学習活動との関連を図りながら、評価につなげていく必要性も痛感させられたところです。
第二部の講師は京都大学名誉教授の佐伯啓思先生。演題は「教師としてもっておくべき国家観」でした。国家の存立があって憲法が成立するということ、国民主権、民主主義の本来的意味、戦後の占領政策をどう理解し、自らの思考でいかに今後の日本をつくりあげていくのか等、様々なテーマについて理解を深めることができました。教育においても日本人の思想の核心にあるものを常に意識していく必要があると改めて感じました。
九州大学大学院比較社会文化研究院准教授である施光恒先生と佐伯先生との対談も行われました。主権者教育やグローバル化に焦点をあてていただき、本質を突く論点整理をしていただきました。多くの参加者が自らの思考を洗い直し、すばらしい知的刺激を受けることができました。
参加者は約160名。終了後は講師の各先生方のサイン会も行われました。
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