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私たちの主張

Opinion

平成2502

「新たな職」をさらに効果あるものに

「新たな職」の職務

平成19年の学校教育法一部改正により、副校長、主幹教諭、指導教諭の「新たな職」を配置することが可能となった。福岡県においても平成20年度から段階的に配置が進められており、県立学校においては平成30年度までに全校配置を予定している。
配置開始から5年目。全校配置までの中間期にあたり、新たな職の配置状況を他県の状況を交え主幹教諭、指導教諭を中心に検証する。改正された学校教育法によれば、新たな職が担う職務は次のように定義づけられる。
「主幹教諭」:校長等を助け、命を受けて校務の一部を整理するとともに、児童生徒の教育等をつかさどる。
「指導教諭」:児童生徒の教育をつかさどるとともに、他の教諭等に対して、教育指導の改善・充実のために必要な指導・助言を行う。

福岡県教委が示す主な職務も、主幹教諭は「学校運営に参画し、担当する校務について整理、他の教諭等への指示をする」とされ、また、指導教諭については「学校の実態に応じ、教育指導の改善充実にあたる」とされている。いずれも「一定の責任と権限を持って取り組むこと」とされることが共通の要素であり、本県は任用候補者選考試験を職の別なく一括で行っている。

各県の状況


高校への主幹教諭配置数については、4名以上の配置校もある東京都や神奈川県では1000名程度、大阪府、兵庫県も300名近い配置である。本県の配置状況については表の通りであり、先述の4都県に次ぐ「先進配置県」である。ちなみに、九州山口では、熊本、宮崎、沖縄県に主幹教諭の配置があるが数は少なく、また長崎、大分県は指導教諭のみの配置である。

選考については、本県の場合、先述の通り主幹教諭と指導教諭の試験は一括で行われ、各校の実情に応じて主幹教諭・指導教諭間の職の変更が可能となる柔軟性を持たせているが、県によっては、管理職(教頭)試験受験一次合格者の中から主幹教諭を任用し、指導教諭については管理職試験を受けない教諭で校長推薦を受けた者に対して面接等を行って任用しているところもある。

文科省は、管理職の補佐的な位置づけとしての主幹教諭と、教育の指導改善を担う指導教諭の職務の違いを明確にしながらも、各県の実情に応じて柔軟に配置を進めることができるようにしているとの見解に立っている。

配置によって期待される効果

新たな職配置の目的は、端的に言えば「鍋ぶた型」からの脱却であり、学校組織をより組織的・機動的・効果的に運営することにある。従来の主任主事の役割が校長の監督の下、連絡調整を担うのに対して、主幹教諭、指導教諭は教諭等に指示や指導・助言ができるなど校務の一部を整理する職として、学校運営のミドルリーダー的存在となることが期待されている。

本県においては、既に高校の過半数に配置が進められているが、県教委は、教諭から主幹教諭、指導教諭へと「職」が変わる段階で意識、使命感が明確に変わり、これまで以上に全校的な視野を持って、名実ともに職員を束ねながら学校の教育方針を実現していく存在になるという手応えを感じている。

全校配置に向けて

本県の主幹教諭は現在、教務、生徒指導、進路指導を核とするグループの統括を行うとされていることから、全校配置によって実質ポスト化されることによる人事の硬直化や、受験年齢制限による若手抜擢の困難性など、懸念される部分もある。

本県は「新たな職」の「先進配置県」として全国的に注目されている。期待される効果を十分に発揮するためには、まず我々自身が学校運営に主体的に参画し、「こういう学校にしたい」という当事者意識を持つことが不可欠である。今後も現場の声を基に検証を行い、選考方法の改善を含め、子供達にとって、また教員にとってより良い学校組織とするべく、各方面へ提言を行っていく。

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